2012年10月26日

満腹中枢と、摂食中枢は、体内のセンサーだ!

今日は、満腹中枢と、摂食中枢について 書きます。

前の記事で、これらの中枢は、食欲を制御していることを書きました。

これらの中枢を壊したマウスは、食べすぎたり、食べなさすぎたり、異常な食生活を送るようになったという実験結果が根拠です。


では、これらの中枢は、どのようにして、体の状態を感知しているのでしょうか??


これについては、大きく二つの考え方があります。


一つは、体の中の脂肪に注目し、脂肪が蓄えられている脂肪細胞が何か合図を送っていると考え、

その合図を両中枢が感知する仕組みを持っているのではないか?と考えた説です。

(脂肪をリポと言ったりしますので、これをリポスタットセオリー(説)と呼ばれます。)


もう一つは、体の中の糖に注目し、血液中の糖分を両中枢が感知しているのではないか?とする説です。

(糖はグルコースとも呼ばれ、これをグルコスタットセオリー(説)と呼ばれます。)



私たちは、日常的におなかがすいた というのを、血糖値が下がったと言ったりしますけど、

それは後者の考え方に基づいています。


じゃあ本当に、血糖値を感知するセンサーが脳の中枢にあるのだろうか???という疑問に答えてくれた研究があります。


日本人の研究者で大村裕博士が、両中枢に、グルコースを感知する細胞が多くあることを実験で示したのです。


脳の細胞のことを、『 ニューロン 』と言いますので、グルコースを感じる細胞を、


グルコースニューロンと呼びます。


満腹中枢には、グルコースが多くなると働く出す細胞(グルコース感受ニューロン)が多くあることが分かり、

また、摂食中枢には、グルコースが多くなると働きが鈍くなる細胞(グルコース感受性ニューロン)があることが示されました。


よって、食欲の仕組みはこうだと考えられます。


食べ物を摂取すると、血液中に糖分(グルコース)が増えます。


それが脳の視床下部の満腹中枢と摂食中枢に感知されます。


満腹中枢がグルコースを感知すると、グルコース感受ニューロンが働きだし、食欲を失わせるようになる。

また、摂食中枢がグルコースを感知すると、グルコース感受性ニューロンの働きが鈍くなり、食欲が失われる。



逆に、血液中の糖分が減ると、


満腹中枢のグルコース感受ニューロンの働きが鈍り、食欲が増し、

摂食中枢のグルコース感受性ニューロンの働きが活発化し、食欲が増す、というわけです。


このように、血液中の糖分を感じて、


両中枢の働きが食欲のアクセルブレーキを踏んでいる


ということが分かってもらえたかと思います。



最後に付け加えますが、上で書いた二つの説(リポスタット、グルコスタット説)は

この書き方だと後者が正しいように思うかもしれないのですが、

実は、リポスタットもうそではありません。


というのは、血液中の脂肪、(正確には中性脂肪が分解してできる、脂肪酸)を、


脳内の両中枢は感知している
ことが分かっているからです。


血液中の糖分が減ると、血液中のインスリンも減ります。


インスリンが減ると、脂肪細胞は、蓄えている脂肪酸を血液中に放出するようになります。


そして血液中の脂肪酸が増えると、摂食中枢の活動が活発化し、食欲が増すようになっています。


よって、糖分と脂肪は、どちらも食欲の調節に関わっているというのが、正確な姿だと考えられています。


今日は以上で、次回から、いよいよ、最近の研究結果について書いていきたいと思います。




posted by Apo at 18:00| ダイエット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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